看護師の転職は20代、30代いつの時期がベストなのか
20代の看護師は『仕事が辛い』『夜勤が辛い』『人間関係が辛い』など様々な悩みから転職を考える機会も多いでしょう。しかし、タイミングを誤ると後になって後悔することも…。ですので、今回は看護師の転職する時期はいつがベストと言えるのかについて解説していこうと思います。
看護師の多くは20代で転職している
日本看護協会が実施した『2019年病院看護実態調査』によると、正規雇用の看護師の離職率は10%以上、新卒採用者は7.8%というような結果が出ています。また、日本医療労働組合連合会が2022年に実施した「看護職員の労働実態調査」では、看護師の平均勤続年数は、1年未満が5.9%、1~3年未満が14.6%でした。これに、3~5年未満の19.4%を加えると、実に4割の看護師が転職を若いうちに経験しているということが分かります。
20代看護師に多い転職理由
『夜勤や仕事がハードで辛い』『女性ばかりの職場で人間関係が辛い』『将来どうしたいのかわからない』『年収が労働に比べて低い気がする』などが主な原因として挙げられることが多いようです。夜勤やハードな仕事内容に関しては若いうちはなんとか体力が追いついたとしても、将来どうなるか分からないといった不安を抱えていたり、患者の命に対する責任といった常に大きな重圧を感じているにも関わらず、給料がそれに見合うようなものではなかったりと多くの場合、仕事が辛いということはもちろんですが、自分がその病院に長く務める将来のイメージが出来ずに転職を考えるようになるようです。筆者自身、新卒後有名な大学病院に3年間務めた経験があります。せっかく就職先としては申し分ないといえる病院に勤めることができたのですが、3年間の業務の中で『年齢を重ねても夜勤をし続けることができるのかという不安』や『自分がこの病院で長きステップアップしていく』というようなイメージがどうしても持てず、どうせなら若いうちに色々な経験をしてみたいと転職をすることを決意しました。
経験年数は転職に関係あるのか
『病棟で働く可能性』があるのならば、経験年数は多いに関係するといえます。看護師の場合『病棟で何年経験を積んでいるのか』ということが採用基準のみならず、転職後の給料にも反映されるとても重要なポイントとなってきます。転職先が病棟以外であれば、経験年数はさほど気にせず採用になる場合が多いですが、その場合も初任給は病棟経験5年以上と比較すると数万円ほど安くなる場合が多いようです。また、病棟以外の看護師経験をしてみたいけど、将来的には病棟に戻る可能性も考えているような場合、病棟以外の看護師歴が経験年数に反映されない場合もあるので、最初の転職をする際に病棟以外を考える場合は、将来自分がどのように働きたいのか、看護師として生きる人生プランをよくよく考える必要があるでしょう。最近では新卒で美容看護師として働くことができるクリニックも出てきました。看護技術などの初期研修は行ってくれますが、やはり病棟と比較すると実践する機会が少ないため、病棟看護師との差はかなり開いてしまうことでしょう。
看護師転職失敗しない為のポイント
パワハラ、ブラック病院でない限りはできれば新卒で入った病院は最低でも3年、出来れば5年務めることで、次の転職が有利になることでしょう。転職後、その働き方が自分にとって最善のものであれば問題はないのですが、同じ看護師という職業であっても『病棟・クリニック・美容・施設・訪問』など働き方は多種多様で、求められる技術や働き方はかなり違ってきます。そのギャップをポジティブに受け入れられる場合は問題ないのですが、ギャップに耐えられずやはり病棟の働き方が合っていた、病棟に戻りたいと考える人も一定の割合で存在します。そんな時、3年以下で辞めてしまっている経歴があると、『この人は長く続かないのではないか』『経験が少なくて即戦力になり得ないのではないか』などどうしてもネガティブな印象で見られてしまうことが多く、転職の際、不利になる可能性が高くなってしまいます。看護師免許を活かした職業を長く続けたいのであれば、新卒で入った病院は5年以上続けることがおすすめです。
看護師の転職はどのタイミングがベストなのか
看護師の転職時期に関しては新卒後の病院で3~5年経験を積むことで、それ以降の選択肢や給料が大きく変わるので、20代後半が転職条件としては有利となります。また、30代、40代と比較すると、体力面でも新しい環境や仕事に馴染みやすいというメリットもあります。ですが、経験年数ばかりを気にして、それまでの間に仕事が原因で体調を崩してしまったり、精神的に追い込まれてしまうくらいであれば、経験年数よりも自分自身を優先させることが大切と言えるでしょう。看護師免許を活かしてできる仕事は本当に沢山あります。また、免許を持っているからといって看護師という職業だけに縛られる必要もありません。転職は人生において重要な転機でもあります。自分自身で考えることも一つの手ではありますが、できれば転職のプロである転職エージェント会社を上手く利用し、より多くの選択肢の中から自分にとってベストな選択をするのがよいでしょう。